レンタルスペースって本当に儲かる?収益モデルや必要な稼働率を分かりやすく解説!

「レンタルスペースって本当に儲かるの?」

そう思っている方は多いのではないでしょうか。

ネット上には「儲かる」「赤字だった」といった体験談が溢れていますが、
実際に自分が始めた場合どうなるのかは、なかなか見えてきません。

レンタルスペースが儲かるかどうかは、感覚や口コミではなく数字で判断することが大切です。

本記事では、レンタルスペース運営の基本的な収益モデルを解説し、黒字化するために必要な稼働率をシミュレーションします。

読み終わる頃には、「自分の物件が儲かるのか」を数字で判断できるようになります。是非参考にしてください。

目次

レンタルスペースは儲かる?まずは収益モデルを知ろう

レンタルスペースが儲かるかどうかは、感覚や経験談ではなく、数字で判断することが重要です。
なぜなら、同じ広さ・同じ家賃の物件でも、稼働率や運営方法によって利益が大きく変わるからです。

その判断材料になるのが、「収益モデル」です。収益モデルを理解することで、以下のことがわかります。

  • 自分の運営計画が黒字になるのか、赤字になるのか
  • どのくらいの売上が必要なのか
  • どの部分を改善すれば利益が増えるのか

まずは、レンタルスペースビジネスの収益構造をシンプルに分解してみましょう。

レンタルスペースの基本的な収益モデルと儲かる条件

レンタルスペースの収益は、以下のシンプルな計算式で表せます。

収益計算式

売上 = 単価(1時間あたりの料金) × 稼働率 × 最大稼働時間
利益 = 売上 − 固定費 − 変動費

この式を見ると、儲かる条件に必要な要素は3つだけです。

  1. 単価を上げる(高く貸せるスペースにする)
  2. 稼働率を上げる(空き時間を減らして予約を埋める)
  3. 固定費・変動費を下げる(コストを削減して利益率を上げる)

つまり、この3つを改善していくことが、安定して儲かるレンタルスペース運営の基本です。

この3つをしっかり改善できれば、レンタルスペースは十分に利益を出すことが可能です。

単価を上げる

レンタルスペースの売上は、単価を上げるだけで大きく伸ばすことができます。

単価とは1時間あたりの利用料金のことで、ここを少し上げるだけで同じ稼働率でも売上がそのまま増えます。
例えば、1時間2,000円を2,500円にした場合、月150時間利用があれば売上は30万円から37万5千円に上がります。単純ですが、500円の差でも、月7万5千円、年間90万円の差になります。

単価を上げるには、良い立地や物件を選ぶことはもちろん、他社にはない付加価値を提供することが重要です。多少高くても選ばれる価値を意識することで、価格競争に巻き込まれにくくなり、一時的に予約が減る月があっても安定して利益を出しやすくできます。

稼働率を上げる

稼働率とは、営業できる時間のうち実際に予約が入っている時間の割合のことです。レンタルスペースの売上を伸ばすには、稼働率を上げることが重要です

稼働率は以下の式で計算できます。

稼働率計算式

稼働率=実際に予約された時間÷最大稼働時間

例えば営業時間を9:00〜24:00(15時間)とすると、月間の最大稼働時間は450時間になります。
ここで1日平均3時間しか予約が入らなければ稼働率は20%ですが、5時間に増やせれば33%になります。

単価2,000円なら、売上は月18万円から30万円へと12万円上がります。1日2時間の差が、月単位では大きな成果につながるのです。

稼働率を上げるには、認知度を高める集客や、平日昼割引などのキャンペーンで、少しずつ空き枠を埋めていくことがポイントです。

固定費・変動費を下げる

利益を増やすためには、売上を伸ばすだけでなく、コストを抑えることも重要です。レンタルスペースのコストは、大きく分けて「固定費」と「変動費」があります。

レンタルスペース運営においても、固定費+変動費=損益分岐点の売上になります。

シミュレーションする場合は、この「損益分岐点を超える売上を作れるか」「損益分岐点を下げることができるか」かを考えてるよう意識しましょう。

固定費はスタート時点で抑える

固定費は、予約がゼロでも毎月必ず発生するコストです。

特に家賃は運営後に下げることがほぼ不可能なので、物件選びの際は慎重に検討し、可能であれば価格交渉もしてみましょう

固定費例
  • 家賃
  • 光熱費(電気・水道・ガス)
  • インターネット回線費用
  • 保険料


運営開始後はWi-Fiを廃止したり、こまめに電気代をチェックする程度しか削減余地がないため、最初の判断が成功を左右します。

変動費は運営中でも改善できる

変動費は予約数に比例して増えるコストですが、運営しながら工夫して下げることが可能です。

固定費例
  • 清掃費(外注の場合)
  • 予約サイトの手数料
  • 消耗品(トイレットペーパー、掃除用品など)

例えば、予約サイト手数料が高ければ、自社サイト経由の予約を増やすことで手数料負担を減らせます。

また、レンタルスペースの種類によっては、清掃は利用者にセルフ清掃をお願いし、ロボット掃除機で自動清掃するようにしたりすれば、外注費を大幅に削減できます。

消耗品はまとめ買いで単価を下げることも効果的です。

具体例:家賃15万円のレンタルスペース(スタジオ)の場合

実際の数字を使って、収益モデルの計算をしてみましょう。

今回は、実際に筆者が運営しているレンタルスペース(レンタルスタジオ)を例に出します。

前提条件(先月の運営状況)

固定費・変動費内容
家賃150,000円
水道光熱費12,000円
Wi-Fi費用5,000円
消耗品費1,000円(トイレットペーパーなど)
清掃費2,000円(月2回/オーナー自身の交通費)
合計維持費170,000円(損益分岐点)
料金内容
平日料金2,000円/時間
土日料金2,500円/時間
深夜・早朝料金700円/時間(利用は月3時間程度)
平均単価(※簡易計算用)2,200円/時間
時間内容
営業時間24時間営業
月間最大稼働時間24時間 × 30日 = 720時間

今回は分かりやすく計算する為、平均単価が2,200円で計算します。

読者の皆さまが知りたいのは「どのくらいの稼働率を目指せば良いのか?」だと思いますので、下記の指揮に代入して必要稼働率をシミュレーションしてみましょう

収益計算式

必要稼働率 = (固定費 + 変動費) ÷ (単価 × 最大稼働時間)

シミュレーション結果(初心者向けに4パターン)

ポータルサイトの手数料は以下の通りです。いかに自社集客が大事かが分かりやすく表れたと思います。

ポータル比率必要稼働率月間必要予約時間1日あたり
0%(全て自社)10.7%約77時間約2.6時間/日
30%12.0%約86時間約2.9時間/日
50%13.0%約94時間約3.1時間/日
100%(全てポータル)16.5%約119時間約4.0時間/日

平均単価2,200円、最大稼働時間720時間、固定費17万円の場合、全て自社予約なら稼働率10.7%(約2.6時間/日)で黒字、全てポータルサイト経由での予約だと稼働率16.5%(約4.0時間/日)で黒字になります。

ポータルサイトは利用者も多く、全て自社というのは実際には厳しく、例え自社集客に自信があっても大体ポータルサイト比率は30%~50%を想定しておくと良いでしょう。

実際の結果(2025年8月)

私のレンタルスタジオの実際の2025年8月の利益を参考までにご紹介します。

実際の利益のイメージとして参考にしてください。

売上数値
自社予約175,000円
ポータル予約200,000円
ポータルサイト手数料70,000円
実入り売上305,000円
実績内容
稼働時間約170時間
稼働率約24%
ポータル比率54%
損益分岐点170,000円

利益は「売上 − 損益分岐点」になりますので、305,000円170,000円 = 135,000円となりました。

まとめ

レンタルスペースで利益を出すためには、次の3つが基本です。

  1. 単価を上げる
  2. 稼働率を上げる
  3. コストを下げる

まずは自分の条件を当てはめて計算し、損益分岐点となる稼働率を把握してみましょう。そうすることで、現在の課題が明確になり、改善策を立てやすくなります。

また、これから開業を考えている方も、事前にシミュレーションしておくことで、物件選びで失敗しにくくなります。

利益を出すポイントを押さえ、数字に基づいて計画的に運営していけば、レンタルスペースは安定した収益源になり得ます。

この記事が、あなたのレンタルスペース運営の一助となれば幸いです。

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